多頭飼いのコツ

最初に飼い始あた柴犬の『ロック』が1歳半になったころ、仕事が忙しくなった私は、あまりロックをかまってやれなくなりました。ロックが寂しいだろうと、2頭目の犬『コタロ-』を迎えることに。ところが、コタロ-は遊びたくてしかたないのに、ロックはあまりうれしそうではありませんでした。

ちょっと後悔しましたが、ロックが亡くなるまで2頭はいつも寄り添っていましたので、結果オーライだったと信じています。何ど言っても、犬は群れで生きる動物ですから……。

しかし、安易に多頭飼いをするのはおすすめできません。いろいろな飼い主さんのケースを見てきて、飼い主さんを独占して1頭で生活していくほうが幸せな犬もいると思ったからです。

ロックが4歳半、コタロ-が3歳を過ぎたころ、私は訓練所を辞めました。体罰を使わず、教めった方法で子犬を育ててみたいと思い、3頭目の『アクセル』を迎えました。

アクセルは、ロック、コタローと同じくらい、あるいはそれ以上に性質のいい犬に育ってくれました。

幸い、コタロ-とアクセルはとてもよく遊びました。ロックは相変わらず知らんぷりでしたが(笑)、コタロ-はよく毛づくろいをしてアクセルの世話をしたり遊んでやったりしていました。コタローは今でも群れのメンバーの世話を焼くのが好きです。

アクセルが3歳になったころ、しつけのアドバイスをする上で、どうしても犬の子育てを見てみたいと思い、『フーラ』を迎えました。初めて飼うメス犬です。2007年、ブリーダーの指導のもと、フーラは元気な5頭の子犬を産んでくれ、新米母さんなりにがんばって子育てを見せてくれました。

フーラが生んだ5頭の中の1頭が、わが家に残った『アトラス』です。生まれてからずっと付き合えたおかげで、変化の大きい誕生から6ヵ月齢までの時期はもちろん、反抗期真っただ中、そして4歳になる今までの成長を観察できたことは、ドッグトレーナーとしてもとてもすばらしい経験になりました。

多頭飼いは、うまくいけばとても楽しいものです。ある意味、そうあるべきとも感じるほどです。

わが家の群れの様子を見ていると、もう1頭だけで飼うことは考えられません。犬同士が遊んだり、かまいあったりしている様子を見ることは、本当に楽しいんですよね。

このように多頭飼いは楽しいものですが、トラブルが起きる場合もありますので、プロのアドバイスを受けられることをお勧めします。指導してもらうドッグトレーナーは、多頭飼いをしたことがある人を選んでください。とくにオス同士の多頭飼いをしたことがあるのは必須で、そこにメスが入っていればなお良いです。オス同士、メス同士、混合の群れでは、少しずつコツが違ってきますから これから群れを増やしてみたいと思っている方に、いくつかアドバイスさせていただきます。

ポイント①どこから子犬を手に入れるか?

犬は群れで生活して生きてきた動物なので、ある意味多頭飼いは自然なことです。しかし、生まれてまもなくペットショップのガラスケースに入れられるなど、本来あるべき環境を与えられなかった子犬は、同じ種であるはずのほかの犬への順応力がついてない場合があります。

優良なブリーダーさんから、飼い主さんのもとに来るまでの時間を犬のなかで過ごした子犬を手に入れることがお勧劭です。

ポイント②飼い主さんと犬たちとの関係

何頭増やしたとしても、1頭1頭と飼い主さんがしっかりとした関係を築くことが大事です。

飼い主さんが決定権を持ち、犬同士のケンカなどをきちんと仲裁できないようでは不安が残ります。飼い主さんが、群れの管理をしっかりとできる存在になる必要があると思います。

ポイント③性格と性別

性格は似ているほうが仲良くなれる可能性が高いですが、似ていなくてもお互いに良い影響が出る場合があります。

性別に関しては、オス同士、メス同士でトラブルが起きるケースが比較的多いように感じます。しかし逆に、オス同士やメス同士でも仲良くできる場合もあります。

オスとメスならトラブルが少ないようですが、もちろん例外もあります。去勢していないオス同士は、少々注意が必要かもしれません。

ポイント④年齢差について

それほど気にする必要はないと思います。幼いうちは年齢が近いほうがよく遊べますが、亡くなる時期が同じくらいになるので、飼い主さんにとってつらいことになる可能性もあります。

年が離れていても、うまく遊べることもあるようです。また、先住犬が年を耿ってから子犬を迎えたケースでは、先住犬が若返ったという話を多く聞さます。

ソファに乗れなかったのが、「若い者にはまだまだ負けんわい!」とでも言うかのように、軽々と飛び乗るようになった犬がいました。

おかげさまで、わが家の『コタロ-』も、12歳のわりには若々しいかと思います(親バカです)。