ケンカの仲裁はしてもいい?

多頭飼いをしている場合、犬同士のケンカを止めていますか?

すぐに止める、あるいは「犬同士のことだから」と止めるのをためらう飼い主さんもいるでしょう。自分の飼っている犬同士がケンカを始めた場合、どのように対処ればいいのでしょうか。

わが家の『アクセル』が6ヵ月齢を過ぎたころ、3歳の『コタロー』と遊んでいるうちにだんだん興奮してきて、じゃれ合いが激しくなることが多くなりました。

ある日、あまりにガウガウうるさくてテレビの音が聞こえないので、「やれやれ、そろそろ止めようか」と立ち上がろうとしたそのとき、当時の長男犬『ロック』(4歳半)が飛んできて「ワン!ワン!」とふた声吠えました。

するとケンカは見事に中止。犬がケン力の仲裁をするのを、このとき初めて見ました。我に返った2頭は一度離れて気を取り直してから(?)、またいつも通りに遊び始めました。

犬が仲裁するくらいですから、飼い主さんが止めてもいいでしょうし、またすべきだと思います。

仲裁の仕方としては、シンプルに、「うるさい!やめろ!」という気持ちで受け止めるのがよいと思います。諭すならば、年下の犬に対して「お兄ちゃんに逆らうな!」という気持ちを込めるのがお勧めです。

しかしロックの仲裁も、群れのなかで起きたケンカと群れ以外のメンバーとのケンカでは事情が違うようです。同じ柴犬を飼っている友人宅へ遊びに行ったときのことでした。まだやんちゃ盛りのアクセルと、友人の柴犬のプロレスごっこが興奮しすぎてケンカになりそうになると、ロックが飛んできて友人のシュナウザーに吠えかかりました。明らかにアクセルを援護しているように見えました。

私も多頭で飼い始めたばかりのころは、どのくらい興奮したら止めればいいのか戸惑いがありましたが、今ではよほどの様子でない限り止めないことにしてみました。幸い今まで、犬がケガを負ったことは一度もありません。

かなりの迫力で吠え合い、かじり合うのに、ケガをしないのは不思議なくらいです(ただしこれはわが家の群れのケースで、ほかの群れの犬とは事情が異なることもあるかと思います)。

犬が攻撃的に噛みつくときは、一瞬で相手にかなりの傷を負わせることができます。場合によっては殺してしまうことだってできるのです。

以前、レッスンしたことのある柴犬の『ナイト』は、ご主人と一緒に公園のベンチで休んでいたところを、リードが外れてしまったゴールデンーレトリーバーに飛びかかられたことがありました。ナイトの体重は10数キロ。去勢をしていない強いオスで、一瞬でゴールデンの後ろ足を軽く食いちぎってしまいました。

ナイトの弁護をするなら、これは明らかに正当防衛なのですが、オス同士の事情があったのでしょう。ナイトが悪いわけでも、ゴールデンが悪いわけでもないと思います。ちなみにナイトは、人に噛みついたことはありません。

この事故以来、そのゴールデンはナイトとすれ違うとき、首を下げ、目をそらしてトボトボと歩くようになったそうです。ナイトはゴールデンの存在を気にするそぶりをまったく見せないそうです。

失うものはありましたが、オス犬同士の和解が成立したようです。

どちらも潔ぐて、かっこいいと思います。「覚えてろよっ!」なんて物騒なことを言うのは、人間だけかもしれませんね。